ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
青山は真っ直ぐに私を見ている。
でも私は、青山を真っ直ぐには見れなかった。
青山はこんなにも真っ直ぐに私を想ってくれてるのに、私はいまだに揺れ動いている。
一緒に居てドキドキしてるのに、それでも、青山“だけ”を想っているわけじゃない……。
「……なんで私は、あちこち揺れ動いちゃうんだろうね……」
青山の真っ直ぐな言葉に、ちゃんとした返事は出来なくて……曖昧な自分の状態を口にする。
「私も、青山くらい真っ直ぐで居られたらいいのにね」
胸のドキドキが痛みに変わって、グッと締め付けられる。
「……優柔不断で、ごめんね……」
声が震えて、涙が出そうになる。
……そんな私の髪を撫でた青山は、やっぱり優しい顔をしていた。
「人が人を好きになる、それは止められないものだろ?
俺のように真っ直ぐ過ぎる想いも、結城のように悩んで苦しんでる想いも……人それぞれ、いろんな形があっていいと思う。
だから、お前が謝る必要も、泣く必要もない。
お前はお前のまま、ゆっくりでもいいから自分の道を進めよ」
温かい手が、頬に触れる。
「だから、そんな顔しないで笑っとけ。 俺は、お前の笑ってる顔が好きだからさ」
「……うん」
ありがとう、青山。
本当に、ありがとう……。
ゆっくりでもいいから自分の道を進む。
青山のその言葉が、胸の痛みを和らげてくれた。