ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~


ガチャッ


「あっ……」


服を着替えた村雨くんが戻ってきた。

私をチラリとだけ見て、それからベッドに横になる。




無言、無言、無言……。


天井を見上げた村雨くんは何も言わなくて、私も何も言わずにイスに座ってる。

とても静かだけど、部屋の空気は重苦しい。


……何も話さないのかな? 「結城さんと話がしたい」って言ってたけど、村雨くんは相変わらず無言で横になっている。

それを私はチラチラと見ながら、コーヒーを飲んだりクッキーを食べていたりしたけれど……コーヒーが空っぽになってしまったから、やることがなくなってしまった。




それとほとんど同時に、村雨くんはベッドから起き上がって私を見た。

いよいよ、村雨くんと話すんだ……。


ゴクッと唾を飲んで、村雨くんを見つめ続けるけれど……。




「家まで送るよ」


放たれたのは、予想外の言葉だった。




え……話すためにここに来たんじゃないの?

それなのに、何も話さないなんて……なんのために来たのかわからないじゃん。


そう思いながらも、無表情の村雨くんには何も言えず……結局私は、そのまま村雨くんの部屋をあとにした。


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