ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
7 想いと戸惑い
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翌朝。
いつもよりも少し早めに学校に向かい、まだ人の少ない校内を歩き、暗室へと入る。
そこにはいつもと同じように啓介くんが居て、ゆったりとした空間で小説を読んでいた。
私と目が合うと、にっこり笑いかけて、隣に来るようにと優しく手を伸ばす。
「おはよう、結城さん」
「おはよ」
結局、啓介くんは私の名前を呼んではくれなかったけど……でも、「それでもいい」と思えるほどに心は晴れやかで、そして温かだった。
「……おーい、お二人さーん。 朝からラブラブですかー?」
「へ? うわっ!! 犬飼くん!?」
ドアを開けた犬飼くんが、呆れた顔で私たちを見てる。
「おはよう、良太郎」
「はいはい、おはようございまーす。
ねぇ啓介、二人きりになれる場所だとしても、暗室でエロいことしちゃダメだよー?」
「あぁ……その手があったか」
「うわっ、もしかして俺、余計なこと言っちゃった?
くそぉ、啓介の馬鹿ー。 俺の奈央ちゃんに何かしたら、許さないからなー?」
「はいはい、わかったわかった」
平然と座ってる啓介くんと、それを見て楽しそうに笑う犬飼くん。
そんな、いつもと変わらない二人を見て、私もいつもと同じように笑った。
「そういえば渉は? まだ来てない?」
「あー…… いつもはもう来てる時間だけど、今日はまだだね」
「えー残念!! 昨日のさゆとの話が聞きたかったのに」
「聞かれるのがイヤで来ないとか?」
「いやいやー、渉は話したがるタイプじゃん?
もう教室行ったのかなぁ。 よっしゃ、みんなで見に行こー!!」
……ということで。
私と啓介くんは、犬飼くんに促されるまま教室へと向かった。