ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~


………

……




楽しそうに話す啓介くんと犬飼くんを後ろから眺め、教室に辿り着く。


けど、そこに青山は居なかった。

「渉、居ないね」

「そろそろチャイム鳴るけど……まさか青山、遅刻かな?」

「そうかも」


ドアのところで話す私と啓介くんを横目に、犬飼くんはさっさと自分の机に行ってしまう。

連休中ずっと一緒に居たから忘れてたけど、私と犬飼くんは、教室の中ではあんまり喋らない方がいいんだった。

犬飼くんはクラスのアイドルでみんなの憧れ。
あんまり仲良くしてると、女の子たちの目が怖いもんなぁ……。




「じゃあ、僕はそろそろ自分の教室に行くね。
一応渉にはメールしてみるけど、学校来たら教えて」

「うん、わかったー」


そう言って、私たちはそれぞれの教室に入った。




真っ直ぐ自分の机に向かって、イスに座りながらふぅっと息を吐き出す。

と、その時。 犬飼くんからメールが届いた。


【 渉、今日は休むらしい。
なんか、「風邪で休むってことにしといて」だって 】


……青山、今日は休むんだ。

ていうか、「風邪で休むことにしといて」って言い方を考えると、本当には風邪じゃないってことだよね?

何かあったのかな?




ブー ブー ブー


あれ? 今度は啓介くんからメールだ。


【 渉とさゆちゃん、今一緒に居るらしい。 なんか、ホテルに居るって。 】


……えぇ!?

青山と小百合ちゃんが、ホテル……!?


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