ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
「啓介くん、これってどういうこと?
前はなんとかなったけど、って……前にも何かあったの?」
メールの意味を知るために啓介くんを見たら、啓介くんは缶コーヒーを口に運んだあと、小さく頷いた。
「良太郎のお父さんは、良太郎が一人暮らしすることにはずっと反対だったんだ。
神経質……いや、頑固者っていうのかな。 とにかく難しい人なんだ。
お母さんは逆に寛大で、良太郎が一人で暮らすことに真っ先に賛成してくれて、ずっと一緒にお父さんを説得してた。
で、説得に説得を続けて、ようやくお父さんが折れたから、良太郎は今、あの部屋で暮らすことが出来ている」
「……そうだったんだ」
一人暮らししてる理由は知っていたけど、一人暮らしするまでの経緯は全然知らなかった。
お父さんと、結構揉めてたんだ……。
「で、今回ご両親が来た理由だけど……“話し合いをする”って言ったあと、まだ連絡がないから詳しいことはわからない。
だからこの先は憶測で話すけど、多分、良太郎が倒れてしまったからご両親が来たんだと思う。
1年の時も、良太郎は倒れてしまったって言っただろ? あの時もお父さんは激怒して、お母さんやお姉さんたちがなんとか宥めて場は落ち着いたけど、今回は2度目だから、さすがにフォローしきれないかもしれない」