ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
ズキン ズキン ズキン....
何も言わずに、何もせずに、そして私を見ることもなく行ってしまった啓介くん。
今までになかったそんな態度に、胸がズキズキと痛んで苦しい……。
息が苦しくて、どうしようもなく体が震えて、目の前が真っ暗になる。
だけどそれでもなんとか暗室の方へと向かい、フラフラになりながらも、そのドアをゆっくりと開く。
中に居た犬飼くんは、どこか悲しそうに笑いながら、静かに言った。
「啓介は承諾してくれたよ」
承諾……つまりそれは、高校を卒業するまで、犬飼くんが私の隣に居るということ……。
「奈央ちゃんは、ダメかな?」
「………」
私は、啓介くんと居ようって決めていた。
だけど啓介くんは、私とは違う想いだったの?
私と犬飼くんが付き合っても、平気なの……?
“ずっと、ずっとずっとユウの隣に居たい。”
そう言ったのは、嘘だったの……?