ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
啓介くんが決めたことだから、私も同じ道を選んだ。
これで、よかったんだ……。
「結城、ハッキリ言うぞ」
「え?」
「お前は、馬鹿だ。 そして啓介も、同じくらい馬鹿だ」
私と啓介くんが、馬鹿……。
そう言った青山は、深く息を吸い、ゆっくり吐き出した。
「……あのな、好きな女が他の奴と一緒に居るのを見て、平気な男は居ないぞ?」
「………」
「俺だってさ、結城が啓介や良太郎と笑って話してるのを見たらやっぱり苦しかった。
良太郎がお前のこと名前で呼んだりさ、啓介とキスしてるところとか……そんなの見たくなかったし、させたくなかった。
俺だけじゃなくて、誰だってそうだよ。 啓介だって、絶対そうだと思う」
桜の木を見上げる青山は、少しだけ悲しそうな顔をした。
「あいつ、小さい頃から俺らを優先させてきたんだよ。
オモチャで遊ぶ時もゲームする時も、おやつを分ける時だって“僕はあとからでいいから”って言ってさ」
啓介くんは、ずっと二人を優先させてきたんだ……。
そういえば、3連休をどうするかって話してた時も、「僕は最後でいいよ」って言って離れてたっけ。
でもそれは、苦なんかじゃなくて、むしろ喜び……。
二人の嬉しそうな顔、幸せそうな顔を見るのが好きだから……だから啓介くんは自分の気持ちをあまり前に出さず、二人を優先してきた……。