ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~


「私は……啓介くんが、好きだよ……」


啓介くんとずっと一緒に居たい。
私は、啓介くんのことだけを想っているよ。

でも……。


「……でも、啓介くんが決めたことに、私は口出し出来ないよ」


そして私は、犬飼くんと居ることを決めた。
だから今更それを変えるなんて、出来ないよ……。




「結城」


青山が、遠くの空を見る。


「俺の時みたいに、自分の気持ちをちゃんと言うべきだと思う。
“誰か”を傷つけたくないから、自分は黙って我慢する。 そういう考え方もあるだろうけどさ、でも今は、ちゃんと啓介と向き合うべきだと思うよ。
相手を傷つけたくないのはわかるけど、だからってお前が一人で抱え込んで傷つくなんて、そんなのは間違ってる」

「青山……」

「啓介だってそうだよ。
一人で抱え込まないで、全部結城に言っちまえばいいのにさ……なのにあいつは、また他人を優先させた。
自分の気持ちを隠して過ごしていくなんて、もう必要ないはずなのに」


そう言った青山は、どこかをぼんやりと、寂しそうな目で見つめていた。


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