ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
「まぁ、どうするかはお前ら次第だから、色々考えて答えを見つけろよ。
急に押しかけて悪かったな。 そろそろ帰るよ」
「あ、うん……」
「あぁそれからコレ、明日返しといて」
思い出したようにポケットを漁り、出したのは……携帯電話。
「俺が持ってると、明日学校に持っていくこと自体忘れそうだから、頼むよ」
「え、ちょっと……でもコレって……」
……啓介くんの携帯電話、だよね。
「ほんじゃまぁ、よろしくー!!」
「あっ……」
……行っちゃった。
♪〜♪〜♪〜
「うわっ!?」
渡された携帯が突然鳴り響く。
この曲って確か、学園祭で啓介くんが歌った曲……。
この曲、好きなんだなぁ……なんて、呑気に考えてる場合じゃなくて!!
ど、どうしよう!? 出た方がいいかな……!?
画面に表示されてる名前は、【 家 】。
啓介くんのお家からの電話……きっと、携帯がないことに気付いたからお家の電話でかけてきたんだ。
それならちゃんと電話に出て、「青山から預かった」って説明した方がいいよね。
あ、でも……啓介くんのお家の人が啓介くんに電話してきたのかも?
うわぁ、どうしよう、すっごく緊張する……。
「で、でもっ……お家の人が出たら、それもまた説明すればいいだけだもんねっ……!!」
ドキドキは増していくばかりだったけど、それでも意を決して、通話ボタンを押す。