ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
イヤなほうイヤなほうへと思考が働く。
啓介くんと色々話したいって思っていたのに、あんな風な態度を取られたら、そばに近づくことすらためらってしまう。
……どうすればいいのか、わかんない。
「……はぁ……」
啓介くんの携帯をパタンと閉じて、深いため息と共に空を見上げる。
キラキラと輝く星はとても綺麗で、風に揺れる桜の木の葉はカサカサといい音で鳴っているけれど、私の心は真っ黒で、何も感じることはなかった。
明日学校で会った時、私たちはどんな顔で話しているだろう?
何もなかったかのように、いつも通り話してる?
それとも、やっぱり今みたいに素っ気ない?
……「結城 奈央」と「村雨 啓介」が出会った時のように、あまり話をしないまま過ごしていく?
どうなっていくかわからないまま、私はゆっくりと立ち上がり、家に向かって歩き出した。