ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~


犬飼くんの隣で恋人として過ごし、啓介くんとは友達として過ごしていく。
だけどメールの中の私と啓介くん……ユウと犬太郎は、メールの中だけの恋人……。


……私、そんなに器用じゃないよ?

それに、こんな状態……器用になりたいとも思わない。


でも、犬飼くんが外国へ行ってしまうのは確実で、それまでの期間、私が隣に居たら犬飼くんは笑顔で過ごしていける……。


犬飼くんが笑顔で居てくれるのは、私も嬉しい。
だけどそのためには、啓介くんと離れなくちゃいけない……。

メールで繋がってるとしても、現実での私たちの距離は、遠い。


……もう、頭の中がグチャグチャで、わからない。


私は啓介くんと一緒に居たいのに、啓介くんは犬飼くんの笑顔のために動いてる……。

その気持ちに応えてあげたいと思うし、私も犬飼くんの笑顔を見ていたい。 寂しそうな顔は見たくない。

でも、それは正しいこと……?


“お前は、啓介が後ろに下がった状態を放っておくのか?”


……放っておけないよ。

だけど、どうすればいい……?


啓介くんはもう、これ以上私には近づいてくれない。
私が近づいても、その分だけ離れていってしまう……。


“こうすることしか思い浮かばない。”


そう言った啓介くんに、私は何一つ言葉が見つからなかった。

私が何かを提案しても、何を話したとしても……きっともう、何も受け入れてはもらえない……。


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