ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~


あんなこと言わなきゃよかった……と後悔しても、時間はもう戻らない。

今日の授業全てをこなし、帰りのホームルームも掃除も、何もかも全てを終えて放課後となったけど、啓介くんからのメールはないし、当然、犬太郎からのメールもない。

こんなんじゃあ、メールの中でも恋人にはなれてないなぁ……。


「……はぁ」


机に置いていた携帯を見つめながら、深く息を吐き出した時、コツンと頭を叩かれた。


「浮かない顔してどうしたの?」

「あ……犬飼くん」


周りに女の子たち……は、居ないみたい。
というか、いつの間にか教室には私と犬飼くんしか残っていなかった。


「なんかあった?」

「……少し、ね」


犬飼くん絡みの話で啓介くんと……なんて、本人に言っちゃっていいのかな……。


「もしかして、俺が関係してる?」


あ……バレてる。
でもまぁ、昨日の今日だから、気付かれて当然かな……。


「話してみな? 解決出来るかわかんないけど、話せば少しでも楽になるよ?」


いつもの爽やかスマイル。
そんな笑顔で見つめられたら、ちょっとだけドキドキしてしまう。


「えっと……あのね、啓介くんと、メールで少し……」

「啓介に何か言われたの?」

「言われたというか……言ったというか……」

「んー、よくわかんない。 どういうこと?」


うーん……ハッキリ言っちゃっていいものなのかどうか……と悩んでいたら、机に置きっぱなしになっていた携帯を奪われてしまった。


「わぁ!? 犬飼くんっ……!?」


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