ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
♪〜♪〜♪〜
あ、電話……。
「もしかしたら啓介くん?」と、思ったけれど、それは知らない番号からの電話だった。
でももしかして、これって犬飼くん……?
携帯を壊した犬飼くんからの連絡なら、知らない番号からでもおかしくない。
少しだけ緊張しながら、通話ボタンを押す。
「もしもし……?」
『もしもし、奈央ちゃん?』
「……犬飼くん?」
『うん。 連絡遅くなってごめん』
いつもと変わらない犬飼くんの声に、涙がもっともっと溢れ出す。
私が1番話したかった人ではないけれど、それでも、ずっと話したかった人だ。
「連絡、ずっと待ってたんだよ……?」
『うん、わかってる。 本当にごめん』
「ね、今どこ……? 私、本当にずっと待ってて……ずっとずっと、一人で、怖くて……」
涙混じりの声は凄く震えていて、犬飼くんにちゃんと聞こえているかはわからない。
それでも私は、一生懸命に言葉を繋げていく。
「……私、啓介くんに会いたい……啓介くんと、一緒に居たいよ……」
彼のそばに居たい。
離れていた分だけ……ううん、離れていた分以上にそう思ってる。