ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
「……ねぇ渉。 “ずっと一緒に居る”って言うけどさー、俺高校卒業したら海外なんだよねー」
楽しそうに笑う犬飼くんがそばに来て、青山の顔にティッシュを押し付けながら言う。
「それに、奈央ちゃんが“ずっと一緒に”って言うのはいいけど、渉が言うとかなりキモい」
「うっわ、この野郎!! 俺の感動名場面をメチャクチャにしやがって!!」
「あはは、だって本当のことだしー?」
「良太郎の馬鹿!! アホ!! 間抜けー!!」
「その言葉、そっくりそのまま返すよ」
いつもと同じようににっこり笑う犬飼くんと、涙ながらに言い返す青山。
そのやり取りはすっかりいつもとおんなじで、顔を見合わせた私と啓介くんは、お互いに吹き出すように笑い出した。
「渉も良太郎も、ほんっと馬鹿だね」
「ほんと、二人とも相変わらずだね」
あははっと声を上げて笑う私たちに、青山と犬飼くんも笑い出す。
「ほんっと、俺たち何やってんだろうなぁ。
啓介と結城のやり取りに感動して泣いた俺キモい!!」
「渉は常にキモいんじゃない?」
「てめ、良太郎!! お前はイケメンすぎてムカツクわ!!」
「なんじゃそりゃ」
そんなやり取りをしながらまた言い合う二人を、私と啓介くんは笑いながら見ていた。
みんなと過ごしていく時間は本当に楽しくて、部屋の中にはいつまでもいつまでも笑い声が響いてる。
私の隣には啓介くんが居て、その近くには青山と犬飼くんも居る。
そんな最高の幸せの中で、私たちはいつまでもいつまでも笑い合っていた。