ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~


「離れていても、俺たちはずっと奈央ちゃんと友達だよ」

「そっ!! 結城が嫌がったって、俺らはずーっと近くに居る!!」

「渉の場合、ストーカーって言われそうだからちょっと離れた方がいいんじゃない?」

「うーるーさーいーなー。 お前こそ結城にベタベタしすぎだから、さっさと外国へ行っちまえ」


いつも通りのやり取りでけらけら笑う青山と犬飼くん。

その近くでコーヒーを飲む啓介くんが、私を真っ直ぐに見て微笑んだ。


「僕は、結城さんと友達以上の関係で居るつもりだけどね」

「……うんっ!!」


啓介くんと手を重ね合わせ、そこに青山と犬飼くんも手を重ねる。




「啓介、結城を泣かせたら俺が許さないからな?」

「うん」


ニコッと笑う青山に、啓介くんは小さく何度も頷く。


「啓介は青山よりしっかりしてるもん、絶対大丈夫だよ」


犬飼くんの言葉に、また場は笑顔でいっぱいになって、温かい。


「ていうか渉さぁ、啓介のことより自分はどうなんだよー?
俺の妹を泣かせたら、俺が許さないよ?」

「うっわ、そこでいきなり俺に振る!?
うーん……まぁ、努力はする!!」

「ちょ、そこは啓介みたいに即答しなよー」

「先のことはわからん!!」

「奈央ちゃんには“ずっと友達”って言ったくせに?」

「おぅ、それとこれは別だ!!」


なぜか自信満々に胸を張る青山。


「渉って、ほんっとに馬鹿だね……」



呆れたように息を吐く犬飼くんを見て、私たちはまた笑い出す。


みんなと一緒に居る時間は、本当に楽しくて、幸せで、何よりも大切な、私の宝物。


みんな、本当に本当に、ありがとう。


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