ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
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「ずっと続けばいいのに」と思いながらも、時間は止まることなく進んでいき、卒業式は滞りなく終了した。
それぞれがそれぞれの教室に戻り、笑みを浮かべ、涙を流しながら抱き締め合う。
同級生たちの嬉しそうな寂しそうなやり取りを横目に見ながら、私は一人、あちこちの教室を覗き込んでいた。
そしてやっと、青山の姿を見つけ出す。
「青山ー」
ドアのところで手招きすると、青山は「おー」と手を振って近づいてきた。
「啓介くんたち上に行くって。 私たちも行こっ」
「マジ? んじゃ、行くかっ!!」
ニコッと笑った青山に、私も微笑み返し、友達に「バイバイ」をしてから歩き出す。
混雑する廊下を抜けて、昇降口へと出る。 と、その時。
「奈央さーん、渉さーん」
「おー、ようやく来たかー」
別の学校の制服を身に纏う女の子がハァハァと息を切らせながら駆けてきた。
「小百合、お前遅くね?」
「ウチの学校も卒業式だったんだもん、仕方ないじゃないですかー。
それに、“お世話になった先輩たちにちゃんと挨拶してこい!!”って言ったのは渉さんですよ?」
「あれ、そうだっけ?」
「そうですよー」
「んー、忘れた!!」
いつも通りけらけらと笑う青山の横で、頬っぺたを赤くしながら笑う小百合ちゃん。
小百合ちゃんの通う学校も今日は卒業式だったから、兄である犬飼くんの卒業式には出られなかった。
というか、卒業式だけじゃなくて、学園祭や体育祭など、イベントというイベントすべてがウチの学校とかぶってしまうらしくて、こうやってこの学校に小百合ちゃんが来るのは初めてだった。
「でもまぁ、間に合ってよかったな!!」
「はい!!」
手と手と取り合って、嬉しそうに笑う二人。
それを見て私も笑い、3人で「上」へと駆け出していく。