ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
……その結果。
青山 [ 97点 ]で、またしてもぶっちぎりの最下位……。
そして、村雨くんは、 [ 69点 ]で……ぶっちぎりで、優勝だった。
「うわー啓介に負けた!!」
歌唱力じゃあ、余裕で青山が勝ってるけどね……。
「……渉、僕を馬鹿にしてるでしょ?」
「いや、マジで羨ましい」
優勝者へのプレゼントは、両手いっぱいのお菓子。
青山はそれを羨ましそうに見てる。
「渉にあげるよ」
「マジ!? 啓介大好き!! 最高!!」
「……はいはい、そりゃあどうも」
村雨くんは呆れ顔で青山を見て、小さく息を吐く。
「青山って、子供だね……」
「うん、昔から変わらない」
お菓子を受け取った青山は、近くに居た子供たちと一緒にそれを食べ始め、楽しそうに笑ってる。
その姿はまるで小学生で、ガキ大将って感じ。
「でも意外だったなぁ。 村雨くんって、こういう目立つことはしないと思ってた」
「あー……馬鹿っぽいことって結構好きだから。 あの馬鹿の影響でね」
ふんわりと優しい笑顔。
それと共に、村雨くんの手が私の手に触れた。
そしてそのまま、指と指が絡み合う。
「ごめん、少し触れたくなった」
「あ……うん、大丈夫……」
村雨くんの体温が、手を通して伝わってくる。