ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
4 犬太郎の正体は、
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翌日。
いつもより早く起きて、急いで朝食を食べ、さっさと支度を終わらせて学校へと向かう。
いつもは賑わってる通学路だけど、今は数名の生徒が歩いてるだけだ。
ちょっと早すぎたかな?
まだ6時半……って、さすがにまだ犬飼くんは居ないかも。
不安になりながらも、学校への坂道を上っていくと……。
「なーおちゃんっ!!」
「ふぇっ!?」
わっ……急に後ろから抱きつかれて、ビックリして変な声を上げちゃった!!
「い、犬飼くんっ……!!」
「あはは、ビックリした? おはよー」
ビックリしたよぉ……心臓飛び出すかと思ったもん……。
「犬太郎に会う決心、ついたんだね」
「あっ……うん」
犬太郎の名前に、心臓は「ビックリ」とは違ったドキドキに支配されていく。
「おいで」
差し出された手に、ゆっくりと自分の手を重ねる。
学校に到着するまで、あと十数メートル。
私たちは、その道を1歩ずつ確実に進んでいく。