ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
「メール送信する日時をあらかじめ指定しておけば、その時がくれば自動で送信してくれる。
だから俺は、携帯に触ることなくユウにメールを送ったんだ」
ふっ……と笑った村雨くんが、携帯を出して私に渡す。
「見てもいいよ」という言葉と共に……。
それを開き、そっと、メールボックスの中を見る。
【 ユウ 】
フォルダ分けされたメールボックスの1つに、その名前があった。
中に並ぶメールは、紛れもなく……私、ユウからのものだった。
「……で? 良太郎はソレを暴いてどうする気?」
「別にどうもしないけど。
ただ、なんで自分の正体を明かさないのかな? ってことは思ってる」
「それは、言う必要がなかったからだよ」
「でも、ユウに“会いたい”って言ったのは犬太郎だろ?
ユウは屋上に行った。 犬太郎に会いに行ったのに、なんで正体を明かさなかったの?」
犬飼くんの真っ直ぐな言葉に、村雨くんは黙る。
そして……ため息のあとに、ゆっくりと話してくれた。