絶えぬ想い、君に


おばあちゃんに“もう十分だ”って言われて、それで俺は黙っていた。



「そんなことない!!」って言えなかった。



おばあちゃんにあんな風に言われても、「それでも毎日病院に行くよ!!」って言えなかった。



言葉を失った自分が、信じられなかった。



乃亜のことを言われた時もそう。



おばあちゃんはたぶん、「もう乃亜の面倒はいいよ」って言おうとしたんだと思う。



俺はそれをさえぎった。



それは構わない。



何があっても乃亜の面倒は俺がみるって、本気で思ってるから。



でも、俺はあの時、「乃亜は俺が面倒みる」って言おうとした。



やっと出た言葉があれだった。



じゃあ何?



「乃亜だけは俺がみるよ」ってことなのかな?



菜緒とは別れても、乃亜だけはってこと?



おばあちゃんが言ったことを、俺はあの時、承諾してたの?



わかったって思ってたの?



もう終わりなんだって思ったの?



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