絶えぬ想い、君に


「りかおねえちゃん、もうかえっちゃうの?」



俺んちの前について、乃亜が言った。



幼稚園から帰ろうとすると、池内の家より俺んちの方が早く着いてしまう。



もちろん今日は迎えに付き合わせちゃったし、池内を送ってくつもりではいたんだけど、乃亜はバイバイするのが嫌らしい。



「いっしょにあそぼー?」


「乃亜、我儘言ったらダメって言ったろ?」


「…でもぉ…」



乃亜って、我儘な子なのかなぁ。



ってか、我儘どうこうっていうより、あんまり池内に迷惑をかけたくないだけなんだけど…



「私はいいよ?」


「え?」


「私今日何もないし、時間は平気だから。」


「無理してない?」


「ううん。乃亜ちゃんにこう言ってもらえるのは、嬉しいよ。会えたのも、久し振りだし。」


「ごめんな。」



結局乃亜の意見が通って、池内が俺んちに寄ってくことになった。



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