絶えぬ想い、君に
「彼女との思い出。あいつが好きだったキャラクター、すぐに思い出せなくてさ。」
「そう…」
「きっとその内、もっといろんなこと忘れてく。あいつの笑顔とか声とか。」
「……」
「最低だよ。」
池内に話始めた時は、明るく普通に喋ろうって思ってたんだけど、さすがに最後までは続かなかった。
そこまで自分の中で、割り切れてなかった。
「…最低じゃないよ。」
「……」
「氷野くんは最低なんかじゃない。」
「…そんなことないよ。言い返せなかったんだよ、おばあちゃんに。」
「そうかもしれないけど、だからって最低じゃない。思い出が薄れてくのは悲しいけど、仕方ないことだよ。人間だもん。」
「……」
「それに今まで彼女を1番近くでずっと見守って来たのは、氷野くんなんだから。最低なんて思う必要ないよ。」