絶えぬ想い、君に
「さっき、容体が急変して…。」
後ろから先生の声がする。
すぐ後ろにいるのに、遠く感じる。
「菜緒?」
何度呼んでも返事はない。
「京平くん…」
おばあちゃんが俺の腕を支える様に掴んだ。
「菜緒…菜緒。」
嘘だ。
嘘だ。
嘘だ。
嘘だ。
嘘だ。
「菜緒……なぁ菜緒!!」
菜緒の体を揺さぶる。
でも上手く力が入らない。
何度名前を呼んでも、出ない力で揺さぶっても、やっぱり目を開けてくれない。
それどころか、菜緒に触れれば触れるほど、冷たいのがわかる。