絶えぬ想い、君に
「そこで鞄渡してもよかったけど、お前内田のとこにずっといて離れないって看護師さん言ってたし、やめといた。」
「…わざわざごめん、家まで。」
「別にいいよ、わざわざって距離でもねぇし。」
「うん。」
そっか…
知ってるんだ、慎吾。
よかった。
言わなきゃって思ったけど、自分から言うのはやっぱり気が進まない。
さっき電話で母ちゃんに話した時も、うまく話せてたかわかんない。
慎吾は何を話すわけでもなく、ただ座っていた。
だけど、俺を心配してるのがわかった。
言葉はなくても、なんとなく伝わった。
自惚れかな。