絶えぬ想い、君に


実際に俺が菜緒と別れないで、ずっとずっと今も変わらず傍にいたら、どうなっていたかなんて誰にもわかんない。



もし俺がそうしてても、菜緒はいなくなってしまったかもしれない。



でも、生きてたかもしれない。



俺がどうしててもこうなってた…なんて、開き直るような考えは俺は出来ない。



そう思えたら、楽なのかな。



でもやっぱり、俺があの日、中3のあの日、俺が遅刻さえしてなければ、菜緒がこんなに早く死ぬことはなかったんだよ。



今でもきっと、菜緒と乃亜とおばあちゃんの3人で暮らしてた。



乃亜がお姉ちゃんの存在を忘れることなんて、なかった。



乃亜の記憶からお姉ちゃんがいなくなったのは、俺のせいで。



菜緒が乃亜の傍にいられないのも、俺のせい。



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