絶えぬ想い、君に
「池内には言っといたぞ。」
「え?」
「…内田のこと。」
「…そう。」
「乃亜ちゃんのこと知ってるし、内田に会ったことはなくても、事情は知ってるんだからさ。」
「そうだな。」
HRが始まる直前に教室に入って、自分の席に座った。
何も変わらないのに、やっぱり違って見える。
無意識にポケットに手を突っ込むと、ケータイが手に当たった。
あの日のおばあちゃんからの電話が蘇る。
あんなおばあちゃんの声を聞くのは初めてで、きっと耳から離れることはない気がする。