絶えぬ想い、君に


「池内には言っといたぞ。」


「え?」


「…内田のこと。」


「…そう。」


「乃亜ちゃんのこと知ってるし、内田に会ったことはなくても、事情は知ってるんだからさ。」


「そうだな。」



HRが始まる直前に教室に入って、自分の席に座った。



何も変わらないのに、やっぱり違って見える。



無意識にポケットに手を突っ込むと、ケータイが手に当たった。



あの日のおばあちゃんからの電話が蘇る。



あんなおばあちゃんの声を聞くのは初めてで、きっと耳から離れることはない気がする。




< 197 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop