絶えぬ想い、君に


「池内。」


「ん?あ、氷野くん…」


「ちょっと今時間ある?」


「うん。」



放課後になって、池内を呼んで屋上に来た。



今日学校来たのは、この為。



「慎吾から…聞いたんだって?」


「うん…聞いた…」


「そっか…」


「乃亜ちゃんは…?」


「乃亜には言ってない。言わないと思う。姉ちゃんの存在も覚えてないなら、そのままでいいよ…」


「そっか…」



池内がそう言ったきり、沈黙になってしまった。



言わなきゃ。



俺は沈黙したくて呼んだんじゃない。




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