絶えぬ想い、君に
9:君の笑顔、見せて
Why
屋上を逃げるように出て、そのまま学校も後にした。
でも、家には帰りたくなかった。
正確には帰れないの方が近いかもしれない。
今日学校に行ったのは、池内に伝えることが1番の理由だった。
休んでばかりもいられないってのもホント。
だけど、家の中にずっといて、閉鎖的になってるよりは外に出れば少しは気が紛れるかもしれないとも思った。
ホントは行きたくなんかない。
だけど少しだけそう思った。
でも気なんて紛らわしたくない。
菜緒がこの世からいなくなったことを考えるのは嫌だけど、気を紛らわして菜緒以外のことを頭に入れたら、菜緒がホントにこの世からいなくなる気がして怖い。
でも、そうもしていられなかった。