絶えぬ想い、君に
10:その先にあるもの
Wish
「にぃにー!!」
「はいはいはいはい。」
「おくれちゃうよー!!」
「乃亜。ちゃんとマフラーしろって。」
「かゆくなるもん、これ。」
「かゆいのとクソ寒いの、どっちの方が嫌?」
「ん゛ー。」
「巻いてやるから、ほら。」
渋々マフラーを巻いた乃亜と手をつないで、幼稚園に向かった。
もうマフラーがないと寒い季節。
菜緒がいなくなって、半年が経った。
この半年という期間は、俺の中ですごく不思議な時間だった。
たくさん時間が過ぎて、いろんなことがあって。