絶えぬ想い、君に


目の前で菜緒がはねられた瞬間が、何度も浮かんだ。



学校も行く気になんてならなかった。



家にいても、自分を責めることしかできなくて。



俺は1日のほとんどを、菜緒が寝てる病室で過ごした。



はっきりと菜緒の容体は聞いていなかったけど、菜緒は目を覚まさなかった。



生きてる。



生きてはくれてる。



だけど、目は覚まさなかった。



何日経っても、何ヶ月経っても。



事故からだいぶ経って、俺も学校へ行くようになった。



ホントは行く気なんてしないけど。



でも、学校が終われば毎日菜緒のとこに行った。



そして俺と同じ様に、毎日菜緒のおばあちゃんも、菜緒の病室に来ていた。



付き合ってから初めて知ったんだけど、菜緒には親がいない。



家族は、菜緒とかなり年の離れた妹だけ。



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