絶えぬ想い、君に


「だけど、こうなって、全部おばあちゃんが乃亜の面倒も見てたんだけどさ。」


「……」


「俺がもうすぐ高2になる頃に、彼女のおばあちゃんちに行ってて、帰る時に乃亜が俺に“行かないで”って言ったんだ。」


「うん…」


「それ聞いた時、なんかわかんないけど、俺が守ろうって決めたんだ。彼女も何よりも乃亜を大事にしてたから、俺がって。彼女のおばあちゃんもわかってくれて、乃亜が幼稚園に入る時から、俺んちに住むことになったの。」


「…そうなんだ…」



乃亜は菜緒が事故に遭ったことを知らない。



おばあちゃんは話してないって言ってた。



外国にいるって話したって言ってたかな。



たぶん、菜緒が事故に遭った頃は、乃亜はまだ小さすぎてわからないと思うから。



もうちょっと乃亜がデカくなったら、話す時は来ると思うけど。



< 59 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop