絶えぬ想い、君に
Family
池内に乃亜と菜緒のことを話してから、1週間近く経つ。
でも、特に何も変わらない。
それから池内とその話することもないし。
別にしたいわけじゃないけどさ。
「ただいまー。」
俺と乃亜が学校と幼稚園から家に帰って、乃亜がでかい声でそう言った。
そんなデカくなくても、聞こえてるけどね。
ま、そういうとこがまた可愛い。
「あら、おかえりぃ。」
スリッパの音を立てて、母ちゃんが出迎える。
いつものこと。
乃亜は、俺の母ちゃんのことを、たぶん自分の母親だと思ってる。
もちろんそんなこと、話したことないから、ホントのところはわからないけど、たぶんね。
乃亜は物心ついた頃から、俺んちにいるからそう思っても仕方ない。
たぶん100%俺のことはホントの兄貴だと思ってるからさ。