のんびりッ子にて脱力を。

「やたっ。」


嬉しそうにページを捲り始める希美。



あの人はと言うと…。



「亜美。お願い。」


下から至近距離で覗き込み、名前を呼んで、お願いって。

子犬みたいに呟く。



またか。


『…いいよ。
仕方ないな。』



これはいつものこと。


この顔されると断れない、抗えない。



昔ッからそう。



何をするにもこいつはこの顔であたしを操るんだ。





あのときもそうだった。




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