のんびりッ子にて脱力を。

「ぼ、ぼくは、希美先輩に命を救われたんです!!

だから、恩返しが、したいだけで、好きとか、じゃ、なくて…。」


こんなに堂々と泣く男の子初めて見たわ。


「鈴先輩が泣かしたー。」


『はいはい。
お姉さんが悪かった。

圭介はあっちいけ。
仕事しろ。』


圭介を店に戻し、彼方くんに近づく。



『もうなんも言わないから、泣かないで!
ほら、さっきもらったケーキあげるから!!ね?』


近づいたはいいが、泣く子の扱いは解りませぬ…。



取りあえずケーキを献上し頭を撫でる。



「大丈夫、です。
ぼく、泣いてません!!」


目に涙を浮かべて大胆にも言い切りやがる。


ばか野郎。

それは泣いていると言うんだよ。



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