Mission、~俺達の未来~
なんだ、心配しなくて良かったんじゃん。
「てゆーかとりあえずさ椎名君」
「は?」
悠生の手が真っ直ぐ椎名に伸びる。
その手は椎名の顔を掴んだ。
「詩織に近づかないで」
「…」
「好きなら諦めてよ
俺、あいつがいなきゃダメだから」
それは少年のような頼み方。
「…意味わかんねーよ…」
そう呟く椎名の瞳は暗い。
「あいつがいなきゃ…俺は俺になれないんだよ」
あたしは壁にもたれながら座り込んだ。
心臓が五月蝿く鳴っていた。