戻れない昨日へ

夜9時の電話

・・・きっとあいつからだ

勉強の手を止めて、電話をとりに行く

「はい。山口です。」

「あ、高橋ですけど。ハルさん?」

予感的中。

「で、今日は何?」
「うん。用といった用も無いんだけど。」
「そっか。どうよ、その後の調子は。」
「まあまあ。」
「まゆこちゃんいい子だからねぇ」
「・・・馬鹿にしてんの?」
「ごめんってさぁ~。」
「ふられるかなぁ」
「告ってみないとわかんないじゃん」
「うん。」
「じゃあ、私勉強あるから。」
「相変わらず冷たいね~」
「生まれたときからこうなんです」
「ごめんごめん。またね~」
「はいは~い」

まったく。用が無いなら電話してくるなっつーの。

あいつはきっと振られるな。
まゆこちゃんはもったいなすぎる。

その1週間後に高橋は振られた。

また電話がかかってくるだろうが、適当に慰めておけばとりあえず大丈夫だろう。


これが私の日常で繰り返される。






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