~LOVE GAME~
綺麗だ、と思った。
濁りのない、きれいな瞳。
吸い込まれそう。
気が付くと私もその瞳を見つめ返していた。
心臓がドキドキするのも一瞬忘れるくらいに見とれていたのだ。
龍輝君も私の目をじっと見つめたまま、逸らさない。
そして……。
「楓ちゃん」
龍輝君が可愛く囁いた。
その声にハッとする。
「俺達、幼なじみなんだよ」
幼なじみ?
龍輝君が、私が求めていた答えを言ってくれたとすぐにわかった。
しかし、その思いもよらなかった返答にキョトンとする。
幼なじみだったの?
「思い出せない? 俺たち10年以上前に会ってるんだよ」
「えっ?」
10年以上前に会っている?
10年……以上前……。
ドキンと心臓が鳴る。
それは今までの感じていたドキドキとは明らかに違う。
背中に冷や汗をかくように、嫌な胸の鳴り方だった。
だって、龍輝君の言葉に心当たりがあるから。
10年以上前にいた、幼なじみ。
思い出される懐かしい記憶。
心の奥底に封印していた、思い出したくなかった記憶。
今までずっと忘れていた記憶が一気にブワッと蘇ってきた。
『かえでちゃん』
懐かしい声が甦る。
いや。でもあのこは……。
『待ってよ、かえでちゃんっ!』
だって、あのこは……。
『かえでちゃーー……』
あのこは、もう……。
「うそ……」
私が記憶を呼び戻し、顔が青くなっていると、それを見た龍輝君はおかしそうにクスッと笑った。
「あれ? その顔は思い出した?」
「……あっ」
私が龍輝君に戸惑った表情を見せると、子どものような可愛らしい声を出して言った。
「ねぇ、かえでちゃん? どうしてあの時先に行っちゃったの? 待っていてほしかったよ」
「っ!」
どうしてーー……………。
「た……、たっくん……なの?」