~LOVE GAME~
振り返ると目の前の影が大きくゆれた。
「えっ……えぇっ!? ちょっと……!?」
「眠い……」
そういって龍輝君は私にもたれかかるように抱き着いた。
背の高い龍輝君がくっつくと、まるで抱き締められているかのような感覚になる。
「ちょっと! た、龍輝君!」
「うるせぇ。いいから、寝かして」
慌てる私にお構い無しだ。
龍輝君の低い声が耳元でして、一瞬ゾクリとしてしまった。
体が熱くなるのを感じる。
「重いし、無理だよっ」
私は無理矢理、龍輝君の肩を押して身体を離した。
龍輝君は機嫌悪そうに私を見下ろす。
な、何なの!?
話があるんじゃなかったの!?
ふぁ~と大きく欠伸をすると、龍輝君は床を指差した。
「座って」
「え……?」
「座れって」
“いいから早く”といった感じで言うもんだから私は渋々と床にペタンと座る。
座れって……、なんなんだ?
チラリと龍輝君を見上げる。
満足そうに頷いて……。
「な、何して……」
その光景に私は驚き、身動きが出来なかった。
だって……。
だってね?
「……っ……ちょっと龍輝君!」
「うるさい。寝れないだろ」
「だっ、だからって! なんで膝枕!?」
龍輝君は床に座った私の膝にゴロンと頭を乗せていたのだ。
動けないし、近い!
っというか、かなり恥ずかしい!
自分でも顔が真っ赤になるのがわかる。
心臓がありえないくらいにドキドキ鳴ってうるさい。
「ふふ、顔真っ赤」
「っ!」
膝の上からこちらを見上げ、ニヤニヤしながら龍輝君はそう言った。
誰のせいだと……!
しかも、下から顔を見上げないで!
「降りてよっ!」
「あぁ?」
“何言ってんだ?”って顔しているけど!
正当な訴えでしょう!?
「降りて!」
「ふぅん……。誰に言ってんの?」
目をスッと細め、意地悪くニヤッと笑う。