~LOVE GAME~
「慌てんなよ。見惚れてたんだろ」
「見惚れてなんかないもん!」
急いで否定したため、少し強い口調でキッパリ言うと、龍輝君はどこか面白くなさそうな顔をした。
そして、低い声でふぅんと呟く。
そして、慌てる私の腕をキュッと掴んだ。
その手の大きさや熱に触られたところがなぜか熱い。
いや、熱く感じるのは触れられてドキッとしたからかな。
「じゃぁ、ゲームしよう」
「ゲーム?」
龍輝君の言葉に首を傾げる。
「そう、俺に惚れたらお前の負け」
「何言って……」
「俺の言うことを聞いて、俺だけしか見えなくなったら…お前の負けだ」
なにそれ……。
そんなおかしなゲーム、なんの意味があるの?
フッと心に浮かんだ疑問を聞いてみた。
「もし、もしも私が負けたら? どうなるの?」
「罰ゲームは考えておくよ」
「じゃぁ、龍輝君が負けたら? 罰ゲームは私が考えていいの?」
龍輝君は妖艶とも言える目線を私に向けた後、そっと顔を寄せて囁いた。
「俺は勝つよ」
勝つってことは、私が龍輝君を好きになるようにするってこと?
「何を勝手なことを……」
そんな変なゲームなんてしたくない。
ドキドキする胸を抑えながら声を絞りだした。
キッと龍輝君を睨む。
「私はおもちゃじゃないし! 龍輝君の遊びには付き合えないよ!」
「遊び……? ふーん、じゃぁいいよ。皆に傷のこと話すから」
だから!それは脅しだってば!
この前と同じことを言われ、ムゥと俯き唇を噛む。
「わかってねぇなぁ。お前が俺に惚れなきゃいいんだよ」
「そんなの惚れるわけないでしょう!」
「どうかな」
なに、その自信は。
「惚れたりしない」
「じゃぁ、ゲームスタートだ」
龍輝君はニコッと笑い、私の髪を手ですくう。
「俺、負けず嫌いなんだ」
低く囁くように声を出す
「負けない。惚れさせるよ」