~LOVE GAME~


「ねぇ、これからは嘘ついたりしないでちゃんと話して? 私もなんでも話すから……」
「あぁ、お互いなんでも言い合えるようにしよう。ちゃんと、話を聞き合おう」

龍輝君はギュッと私を抱きしめる。
私たちは遠慮しあってちゃんと話が出来ていなかった。勝手に悪い方へと考えて、不安になっていたんだ。
これからはなんでも話し合って、解決できるようになりたいな。
私は龍輝君の背中に手を回して、その胸に頬を埋めた。
あ、龍輝君の心臓の音が速い。
同じ気持ちだと言うことがとても嬉しかった。
すると、ドンドドンと花火が上がった音がした。
振り返ると、空にとても綺麗な花火が打ちあがっている。

「わぁ、綺麗……」

しばらく花火を見ていると、「あ、そうだ」と龍輝君が声を上げた。
不意に何かを思い出したようで、龍輝君が離れた。そしてガサゴソと鞄から何かを取り出したのだ。
龍輝君の手に乗っていたのは、小さなケースだった。

「なに、これ……」
「開けて」

手渡されて中を開けると、可愛いネックレスが入っていた。
花柄がモチーフで、キラキラしていてとても素敵だ。

「可愛い!」
「楓へのプレゼント。夏休み前に買って、今日渡そうって決めていたんだ」

初めてのプレゼントに戸惑いと嬉しさとで感動してまた涙が溢れてきた。
今日は感情がゆるゆるだ。

「貸して」

そう言って、ネックレスを手に取ると私の首にかけてくれた。

「良く似合う」
「ありがとう、凄く嬉しい」

鏡で見れないのが残念だけど、そこはあとで家でじっくり眺めよう。

「楓、好きだ。この気持ちは変わらないよ」
「私も……、龍輝君が大好き」

気持ちは変わらない、と言おうとしたけど龍輝君の唇に塞がれてしまった。
その熱いキスに、龍輝君の気持ちが伝わってくる。
応えるのに精いっぱいで、離れた時には息が上がってしまった。

「やばい、止まらなくなる……」

色っぽい声で耳元で呟かれ、身体がビクッと跳ねてしまった。

「お願いだから、可愛い反応しないで」
「してない!」

慌てて否定すると、抱きしめられながら笑われた。

「大丈夫、ゆっくりでいいから。俺ららしく、歩んで行こう」

龍輝君の優しい声にホッとする。

「うん」

頷くと、何度も頭を撫でてくれた。
焦らなくていい。
ちゃんと話をしながら、気持ちを伝えあいながら私達らしく歩んで行こうね。





~その後END~




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