本当はずっとキミだけを…。
プロローグ
それは、色とりどりなチューリップが咲き誇るチューリップ畑の真ん中で
まだ小学生だった頃
あなたと交わした、たった1つの大切な約束。
「大人になったら、僕と結婚して」
あなたはそう照れくさそうな顔で言うと
小さな手に握りしめていた
オモチャのガーベラの指輪を
あたしの薬指にソゥとはめてニカッと笑った。
「うん。約束だよ」
「約束」
あの日から
あたしの心はずっと
あなただけのものになったんだよ。
────あなたは…もう、忘れてしまったの?