本当はずっとキミだけを…。
「ど…どうし…?」
寒すぎて、唇がガタガタ震えて上手く言葉が話せない。
「ごめん…気になって…梨華ちゃんの後を付けてきた」
腰を下ろして、さしている傘を、あたしが濡れないように向けながら悲しみを帯びた瞳で見つめた。
「そ…か…」
「こんなに濡れて、風邪ひくよ」
片手で傘をさしながら、着ていた制服のブレザーをあたしに着せると、ソッとあたしの体を抱き寄せた。
───あったかい…。
高津くんの腕のぬくもりがあったかくて、あたしはそのまま意識を手放した…。