本当はずっとキミだけを…。
「ホントにもう、驚いたんだからね。
梨華が突然男の子におんぶされてくるんだもん」
「えっ…?おんぶ…?」
おんぶって…誰に…?
頭を抱えながら考えていると
「あら、覚えてないの?」
「なにを…?」
「ほらぁ、いつだったかしら、家の前に一緒にいた男の子」
それって…もしかして…
「──高津…くんのこと?」
「そう!!高津くんって言ってたわ!!」
あのカッコいい男の子。いい子ねと話すお母さんの声を聞きながら大輔くんのアパートの前の出来事を思い出した。