本当はずっとキミだけを…。
沙羅も同じクラスで、3人共、家が近かったから
学校帰りに互いの家に遊びにいっては夕方遅くまで遊んだりしていた。
そして二年生の春の遠足の時。
「梨華ぁ!」
大輔くんから名前を呼ばれて2人でコッソリと、みんなから離れた場所にあるチューリップ畑に隠れた時
「これ…あげる」
そう照れくさそうに真っ赤な顔でズボンのポケットからオモチャのガーベラの指輪を出してはめてくれたんだ。
薬指に…。はめてくれたんだ。
「結婚しよう」って
「約束だよ」って…。
それなのに───大輔くんは、二年生の夏休みが始まる前に
大輔くんのお父さんの転勤で大輔くんは遠くの街に引っ越してしまった。
淡い恋心をあたしに残したまま…。