本当はずっとキミだけを…。
「おはよう」
教室に入ってきた大輔くんの声に、あたしの心臓はピクンと反応した。
……大輔くんの姿を見れば苦しくなるだけなのに…。
そんな気持ちとは裏腹にあたしの瞳は常に大輔くんの姿ばかりを追っていた。
自分の席に向かい机の上に鞄を置いた大輔くん。
一瞬、大輔くんと視線が重なった。
瞬間、バッと視線を逸らして俯いたあたしの耳に「おはよう、大輔くん」石川さんの明るい声が聞こえてきた。
その声が気になって再び大輔くんに視線を移すと、石川さんと親しげに話す大輔くんの笑顔がまたズキンとあたしの心を痛めた。