本当はずっとキミだけを…。

「梨華…」



沙羅がポンと軽くあたしの肩を叩いた。


「沙羅…いつか、きっと消えるよね？この胸の苦しみとも、サヨナラできるよね…？」


制服の胸元をギュッと握りしめた。


当たり前じゃん。きっと消えるよと沙羅が言った。


うん。きっと、消える……きっと…。


「それより。高津くんとどうなってるのよ？教えなさいよ」


あたしの腕を肘で小突く沙羅。

「あぁ、うん。あのね…ちゃんと高津くんと向き合ってみようって決めたんだ」

そう、一歩でも前に進めるように。


「そうなんだぁ。分かった。あたしは応援するよ」


沙羅の言葉に「うん。ありがとう」と笑ったあたしの心は複雑で苦しかったけど


いつかは、きっと…大輔くんのことを忘れられる…。


だから、過去を振り返ってばかりいないで新しい未来を前を向いて生きていこう。



そう思ったのに…。