本当はずっとキミだけを…。

高津くんが去っていったあとの教室はいつの間にか誰もいなくてあたしだけになっていた。



誰もいないシーンと静まり返った教室は、まるであたしだけ1人この世界に取り残されたようで…なんだか寂しい気持ちがした。




早く図書室にいこう。



そう決めて机の上の鞄に手を伸ばした時だった。





ガタンと物音がして音がした方を振り返ると




「まだ、いたの?」



腕組みをして壁に寄りかかっている大輔くんが、真っ直ぐとあたしを見ていた。


「大輔くん…」



< 133 / 164 >

この作品をシェア

pagetop