本当はずっとキミだけを…。
「よっ、元気?」
「大輔くんこそ…元気?」
少しずつ近づいてくる大輔くんに、なるべく平常心で応えた。
けど…。
距離が近づくにつれて次第に激しく波打つ鼓動。
大輔くんを忘れようとしている気持ちとは裏腹に鼓動は正直に波打つ。
ダメだ…高津くんと向き合うって決めたでしょう!?
なにドキドキしてるのよ。あたしの心臓シッカリしてよ!!
「なんか、久しぶりだな。こんな風に話すの」
「そうだね…」
ドンドン近くなる大輔くんとの距離は、手を伸ばせば触れてしまいそうな距離を残してピタリと止まった。
何度、こんな風にして近くで大輔くんと話せることを夢見たのだろう…。
こんなに近くにいるのに、まるで会えなかった頃より大輔くんとの距離が遠くなったように感じることが悲しかった…。