本当はずっとキミだけを…。

 だけど・・・・・。

頭の中に、あの日、大輔くんのアパートで女の人と抱き合う大輔くんの姿が浮んだ。


この腕で、あの人を抱き締めたんだ・・・。


そう思うと、なんだか何もかもが不潔に感じて


「ヤッ!!」


気づいたら、大輔くんの腕から逃れて「あたしに触らないで!!」そう叫んで大輔くんを突き飛ばしていた。




「り・・か・・・・・!?」



「ごめん・・・・」



それだけ言い残して、大輔くんから逃げるように教室から飛び出した。

誰もいない廊下にあたしの泣き声だけが響いた・・・。











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