本当はずっとキミだけを…。
『けど、自分の気持ち誤魔化したままデートするほうが失礼でしょう』
そう言った、沙羅の言葉にドキリとなって言葉を失くした・・・。
『まだ好きなんでしょう?大輔くんのこと』
「・・・・・・」
『嫌いに、なれなかったんでしょう?』
「・・・・・・」
『しょうがないよ。好きって気持ちにウソはつけないんだから』
あたしは、何も言えない代わりに受話器を握り締めたままベットに泣き崩れた。
もう、自分の気持ちにウソはつけない。
沙羅の言う通り。
あたしは、まだ、大輔くんの事が好き・・・・。
たとえ、大輔くんに彼女がいても、あたしは大輔くんの事が好き・・・・。
あした、高津くんにちゃんと伝えよう。
そう決めたハズなのに・・・・。
「梨華ちゃん!!」
待ち合わせの場所に行ったら、右手を振って眩しい笑顔で駆け寄ってくる高津くんの笑顔が目に飛び込んできて、あたしの決心は早くも崩れ落ちそうになっていた。